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秋モユル [D70s:Nature]

ボケボケしている間に紅葉シーズンももう終わりに近づいてますね~。今日は、先日の高山からの帰りに撮った今年最後の紅葉写真を少し載せてみます。

今年は例年以上に紅葉三昧で、10月からいろんな山へ出かけては紅葉を楽しみました。11月頭にもなると、場所によっては山の紅葉はすっかり終わっていたりしますが、岐阜県高山市から少し南下した辺りではまだ少し遅れて真っ赤に色付いたモミジやカエデを見ることができました。いや~、やっぱり“赤”っていいですね(^^)

既に夕方近かったのと、空がどんより曇り空だったということもあり、今回は35mm/F2のこのレンズ1本だけで撮影してみました。掲載写真は8枚。ちょっとシツコイです。すみません^^; 

 

紅葉を曇り空で撮影する時のホワイトバランスって難しいですね。。

 

 

↑奥に道路が見えてますが、ここは国道沿いの公園なので広角で撮ると余計なものが入ってしまうんです。

  

だからひたすら切り取りました^^;

この公園にある池には、ちょっと物悲しい伝説があるようです。

 

 飛騨の国に中山七里という名所があります。それは七里の間、美しい景色が続いているということでした。川の水は底の小石が一つずつ数えられるほど澄み、ある所では、まっ青な淵になって、木々の影を写しています。なだらかな山が折り重なって、春は濃い薄いの緑の中に山梨の花が真白にさき、秋は澄んだ空の下に柿紅葉が燃えるように色づいているのです。

  むかし、この中山七里の保井戸という村に、落人の母と子がかくれ住んでいました。この母と子は近江の六角家の家臣の養子でしたが、夫が主君に従って姉川の戦で討死したので、妻は左近という子を連れて、ここでひそやかに暮らしていました。

  ある秋、母が長い労苦の末病気になってしまいました。左近はただ一人の母のこと、我を忘れて介抱しましたが、母はしんから弱っていたのでしょう。もう時を待つばかりになりました。

 ある日母が病み疲れて、苦しげに息をしながら申しました。

 「毎日毎日永い間看病をして下さって、まことに申しわけないことです。この上本当にわがままな願いですが、なろう事なら、生まれてから親しんできた故郷の湖の水が一杯いただけたら、と思うのですが・・・・・・。」

 これを聞くと左近は旅の仕度もそこそこに,、母の介抱も村の人々に頼んで近江へ旅立ちました。美濃の山川をすぎ、伊吹山の麓を走りに走って琵琶湖に着きました。

 「ああ、嬉しい。母上にこの水を差し上げたら、どのように喜ばれる事やら・・・・・・。」 「早く、早く、母上の御存命中に 。」

 四十里あまりをひた走りに走りました。とはいってもまだ少年のことです。気ばかりあせっても、疲れて足がともすればとまり勝ちです。それでもどうやら家もま近い瀬戸まできました。

  すると向こうから村の庄屋さんが、一心にこちらへ走ってきます。左近を見ると旧に足を止めて申しました。

 「左近さま、左近さま。まことにお気の毒ですが、母上様はつい先ほど、あなたの名を呼びながら、おすのう(なくなり)なられました。もうお帰りの頃かと、ここまでお迎えに参りました。」

 「あ、間に合わなかった。母上、母上。」

 左近はそう言うと 、庄屋さんの前も忘れて、 

「わあっ」

と地面に伏して泣きくずれました 。すると首から斜にさげていた瓢箪が投げ出されてしまいました。その表紙に瓢箪の口のせんがとれて、水が流れ出ました。

 「とくっ、とくっ、とくっ。」 

音を立てて流れ出た水は、下のくぼ地に溜まりはじめました。

 「とくっ、とくっ、とくっ、とくっ。」

 水はこんこんと流れ出て、あくる日になっても流れ続け、窪地は青々とした池になってしまいました。

  里の人たちはこの不思議な瓢箪から流れ出た池を、孝池水とよび、大切にしました。この池はどんな大雨が降っても濁らないといい伝えられています。

 (江馬三枝子編、未来社刊『飛騨の民話』より)

  

ALL Photo: AF Nikkor 35mm F2D(手持ち)


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コメント 16

鮮やか!
今年はまだ紅葉見に行ってないなぁ。
今週末まだ間に合うかな・・・。
by (2006-11-28 16:26) 

アキノコ

はじめまして!本当に秋燃えて(萌え?!)てますね~。真っ赤!
とはいえ一番グッときたのは5枚目のお写真だったり・・!
by アキノコ (2006-11-28 17:41) 

でっぱ

35mm 2.0もいいなあ・・・。
紅は鮮やかな方がホントにきれい。
黄色のホンワカも良いけどね。
by でっぱ (2006-11-28 17:52) 

mel

mayukiさん>
nice&コメントありがとうございます!
お久しぶりですね~!お元気でしたか?
紅葉、もうギリギリかもしれませんよ~。
早く早くっ^^;(笑)

アキノコさん>
nice&コメントありがとうございます!
お立ち寄り下さいましてありがとうございますー(^^
秋モユルを漢字にすると「秋萌ゆる」または「秋萌」なのでカタカナにしました(笑)
5枚目の虫目線系の写真は私もスキです。嬉しいです~♪

でっぱさん>
えへへ。いいでしょ~♪
このレンズ、本当にちっこいんですよ。200gソコソコです。
キヤノンの35/F2はどうなんでしょう?
今年、やっと赤色の紅葉をまともに見れたって感じです^^;
そろそろ冬支度しないといけませんね~(ワクワク♪)
by mel (2006-11-28 18:26) 

chichiの母

素晴らしい民話ですね。
いい話です。
そして綺麗な紅葉。melさんは幸せですね。
私は行き先々で紅葉が終わっていたり、神宮外苑はつい先日
melさんが東京に来られた土曜日に行った時は未だ緑色だったし(爆)。
こちらで堪能させて貰っちゃいました。
ありがとうございます。
by chichiの母 (2006-11-28 20:30) 

いい紅葉ですね。すばらしいです。35mmF2もきれいなボケですね。
by (2006-11-28 21:45) 

ccq

35mmだとかなりよっていますね。接写も効くのがイイレンズですね。
by ccq (2006-11-28 22:26) 

ZARU

綺麗!紅葉をじっくり撮りに行きたくさせる写真ですね。
by ZARU (2006-11-29 10:29) 

ころくま

なんて鮮やかな赤!
紅葉撮りに行きたい! でも鳥も撮りたい!
体が一つじゃ足りません^^
by ころくま (2006-11-29 10:34) 

みつなり

この週末は私も体が二つ欲しいです~
by みつなり (2006-11-29 11:41) 

どれもこれも、キレイなモミジ!
私も先日ようやく撮りにいけました。
by (2006-11-29 19:04) 

kane

見事に染まった紅葉ですね。
35mmF2D一本勝負、今度僕もチャレンジしてみます。
by kane (2006-11-30 01:30) 

CARRERA

赤い~♪
ほんとに残りわずかですね。
週末は天気良さそうなので最後の紅葉を楽しみたいです。
by CARRERA (2006-11-30 12:47) 

mel

chichiの母さん>
nice&コメントありがとうございます~。
良いお話ですよね~。こういう昔話的な物語は、必ず親子の間でも丁寧な言葉で会話がされていますよね。こういうコトって大切なことのような気がします。
あらら。そんなに運がなかったのですか~^^; じゃあ、本当に運が良かったんですね~。私って(笑)
水族館、一緒に行ける日を楽しみにしていますねー♪

こまっちゃんさん>
nice&コメントありがとうございます~。
最近、再び35/f2にハマってます(笑)
今までレンズフードを持ってなかったので専用のを買いました。

ccqさん>
nice&コメントありがとうございます~。
はい~~。諸先生方のオススメどおり、良いレンズですね!
自分が動いて構図を決めるのも良い運動になって気に入ってる点です^^;

ZARUさん>
nice&コメントありがとうございます~。
あはは。私も時々、妙にその“じっくり”と撮りに行きたくなるんです(^^
このレンズはそういう気持ちにさせてくれるレンズです♪

ころくまさん>
nice&コメントありがとうございます~。
アハハ!そのお気持ち、よ~くわかります(笑)
いつかは気の向くまま写真撮影の旅に出たいです。

みつなりさん>
nice&コメントありがとうございます~。
先週末は体ひとつで足りましたか?^^;

Ranranさん>
nice&コメントありがとうございます~。
いよいよ冬将軍がやってきそうな気配になってきましたね~。
急に冷え込んできたのでRanranさんも気をつけてくださいね。

kaneさん>
nice&コメントありがとうございます~。
一本勝負、私は好きですよー。
なにより、身軽なのがイイです!(笑)

CARRERAさん>
nice&コメントありがとうございます~。
紅葉楽しまれましたか~?(^^
こちらは、そろそろタイヤをスタッドレスに替えておかないといけないかな・・・という気配が。。ここのところ随分寒くなってきました。
by mel (2006-12-04 14:21) 

きれいに色づいていますね。池に散った紅も美しいです。
「親子の間でも丁寧な言葉」…わ~耳が痛いです(^^;
by (2006-12-05 18:58) 

mel

mkzooさん>
うぅぅ。先ほどまたつらい事件のニュースが。。
親と子の関係には、日頃から心のこもった“言葉”が大切なのかもしれないですね。。
by mel (2006-12-06 00:20) 

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